言われるままに質問に答える青年。

「名前は?」

「南雲 龍宇(なぐも りゅう)」

「年齢は?」

「二十歳」

「流派は?」

「…活人拳を源流とする格闘術」

抑揚なく、淡々と。

質問に答える様は、龍宇の剛毅木訥な一面が滲み出ていた。

タブレットに龍宇のプロフィールを登録しながら。

「では」

警備員は次の質問に移る。

「格闘特区に来た目的は?」