両足で顔を挟んだ莉々の体をヒョイと持ち上げ、修羅はそのまま地面に叩き付ける!

プロレスで言うところのパワーボム。

「か…はっ…!」

たった一撃で視界がグニャリと歪む。

脳震盪。

立ち上がるどころか起き上がる事すらできない。

「弱い」

修羅は剥き出しになった莉々の腹筋を片足で踏み付ける。

片足とはいえ、この巨躯だ。

莉々には重すぎるほどの体重がかかる。

「格闘特区というから訪れてみれば、見る者見る者、見栄えばかりを気にして命すら奪えぬ曲芸技ばかり…いつから武道は見世物になったのだ?んん?」

グリグリと莉々の腹を踏みにじる修羅。

「うぁぁあぁぁあぁぁっ…!」

内臓が捩れる。

胃の中のものが逆流して、口から溢れ出しそうだ。

口腔内に込み上げてくるものを必死に堪えながら、莉々は修羅の足に拳を叩き付ける。

無論ビクともしない。

まるで巨木が腹に突き刺さっているような感覚すら覚えた。