修羅は戯れに拳を振るう

掌底同士を重ね合わせ、それを龍太郎の腹部に叩き付ける!

そこから勁力を相手に叩き込む発勁!

虎撲烈波(こぼくれっぱ)という技だ。

しかし。

「てめぇ」

龍太郎は龍宇の両手を押さえて僅かに隙間を作る事で、虎撲烈波の威力を最小限に抑えた。

「活人拳と謳っちゃいるが、人越拳ねじり貫手に兇叉に…使いようによっちゃ十分人を殺せる技…殺人拳じゃねぇか」

龍太郎の眼光が、鋭く龍宇を射抜く。

「てめぇ何モンだ?その流儀、何処で身に付けた?健全な武道をやってる奴が使う技じゃねぇぞ」

龍太郎のその言葉に。

「…確かに。人に対して使うべき技ではなかった」

龍宇は姿勢を正し、龍太郎に頭を下げる。

「貴方が強過ぎる故に、つい繰り出してしまった…許してほしい」