(あぁん…)

格闘特区ではアイドル並みの扱い、引く手数多な莉々の誘いさえ蹴る。

こんな態度を取られたのは初めての事。

逆にそれが新鮮で、靡かない龍宇に莉々は入れ込む。

何というか、チヤホヤされ慣れていたのだ。

それ故に、邪険とも取れる扱いに魅力を感じてしまう。

(知らなかったわ…私ってMなのかしら…)

そんな事を思いながら、それでも諦めずに龍宇の後をついて行く莉々。

「別におかしな事なんて思っていませんから、ただ、一人暮らしだから寂しくてっ、龍宇さんが部屋にいてくれると安心かなと思ってっ、もっというと添い寝してくれると更に安心かなと思ってっ」

既にその発言が相当におかしな事なのだが、莉々は平気で女の口から、そんな事をポンポンと並べ立ててしまう。

熱を上げて舞い上がるとは、こうも挙動不審なものなのか。