修羅は戯れに拳を振るう

「大丈夫か」

手を差し伸べる龍宇。

「あ、ど、どうもっ…」

莉々はその手を、ほんの指先にだけ触れて引き起こされる。

立ち上がった莉々を見下ろす龍宇。

「…小さいな」

「あ、えっ、そ、そうですよねっ、82しかないんですけどっ、で、でもっ、お尻の形はいいってファンの男の人によく言われるんですっ、だから胸が小さいのは別にいいかなってっ」

「いや、胸の話じゃない。身長…150もないだろう。その体格であの鋭い動きか。大したものだ」

「で、ですよねっ!胸の話なんてしてませんよねっ!私ったら何言ってるんだろっ、恥ずかしいっ」

何故かしどろもどろになる莉々。

そんな彼女が、投げられたせいでショックを受けていると思ったのか。

「結果から見るほど君は弱くない。あまりにいい動きをされたせいで、本気で投げてしまった。寧ろ誇りに思っていい。君は強い」

龍宇はフォローまで入れる。