「では、また来るアル」

「はい、龍娘大先生にもよろしくお伝え下さい」

「はは、老師が大先生か。聞いたら喜ぶアル」

格闘特区の駅で鬼龍を見送り、莉々は手を振る。

彼女が改札口を出た後。

「さーってと」

莉々は大きく伸びをした。

外はすっかり日が落ちてしまったが、格闘特区内のストリートファイトはこれからが本番。

週末ともなれば、明け方まで市内各所で闘いが繰り広げられている。

ふと、この格闘特区で一番高い建物…ORIHA本社の最上階を見る莉々。

まだ明かりは灯っている。

今夜は父は徹夜なのかもしれない。

ならば、莉々も羽を伸ばせるというものだ。