修羅は戯れに拳を振るう

「は、はいっ!」

莉々の顔に、ようやく笑顔が戻った。

「待ってます!手紙も、いつか龍宇さんが格闘特区に戻ってくるのも!」

「…ああ」

頭陀袋を下げ、裸足のままで歩いて行く龍宇。

白い空手着の背中は、格闘特区に訪れた日よりも、少し大きく見えた。