修羅は戯れに拳を振るう

クリーンヒットは避けた莉々。

だが、宙に浮いたままの状態では恰好の的。

当然鬼龍は見逃さず、詰め寄ってくる!

肘打ちの二連打から、上方への掌打、更に体ごと回転させて手に気血を送り硬質化させ、掌打で叩き潰す頂肘鬼哭烏龍盤打(ちょうちゅうきこくうりゅうばんだ)!

空中では為す術もなく、いいように打たれる莉々だったが。

「なっ!」

打たれながらも莉々は、回転して身体を反らすようにして踵で蹴る技、ヘヴェル・サオンを繰り出す!

完全に勝負は決したと考えていた鬼龍は、危うく直撃を食らう所だった。

「カポエイラの技まで習得したアルか、腕を上げたな莉々ちゃん」

「カポエイラは派手で私好みですから」

着地した莉々は、鬼龍に対して不敵に笑った。