修羅は戯れに拳を振るう

この街で出会った対戦相手。

龍太郎も、松岡も、洪も、そして莉々も。

皆、龍宇の知らない相手だった。

龍宇の知らない強者だった。

世界には、そんな相手がまだまだいる。

格闘特区で勝者となった龍宇など、容易く捻るような猛者がいるかもしれないのだ。

ならばここには留まれない。

「俺は王者ではなく、挑戦者でいたい。常に挑む側であり続けたいんだ」

玉座で胡坐をかくような男ではない。

チャレンジャーが、龍宇の本来の姿。