「やはりその娘、屠っておくべきだったか」

修羅の足は、莉々に向けられる。

「その娘を屠れば、貴様とて怒りに震え、我を殺そうとするだろう」

「莉々は俺とは何の関係もない!彼女には手を出すな!」

「縁もゆかりもない女だろうと、手を出されたくない者を目の前で殺されれば」

獣臭漂う修羅の口元が、悦楽に歪む。

「貴様とて激昂で殺意に覚醒する事必至」

「やめろぉぉおおぉおぉおおっ!」

近付いてくる修羅に対し、自ら突進する龍宇!

しかし。

「がはあっ!」

高速回転しながら蹴りを連続で放つ修羅に、龍宇は容易く吹き飛ばされる。

中国拳法の一手、真旋風残雲蹬脚(しんせんぷうざんうんとうきゃく)だ。