修羅は戯れに拳を振るう

「お前の師匠…修羅ならば、この言い分すらも綺麗事やお題目と一笑に付すかもしれん。だがな」

龍娘は龍宇を真っ直ぐに見る。

「綺麗事結構、お題目で何が悪い?そうやって理論武装するから、武道家は只の鬼畜に成り下がらずにいられるのだ」

世にある武道格闘技が、全て『武術家』のみのものならば、『武道』は発展しないだろう。

いや、『道』を説く者極める者すらいなくなり、この世から『武道』という概念すら消えてなくなる。

武は野蛮人、ならず者のみの技術となり、心身ともに鍛え上げる素晴らしいこの技術は、やがてこの世から廃絶される。

まるで核兵器のように。