修羅は戯れに拳を振るう

「黙れっ!」

両掌を突き出して、発勁を放つ!

龍宇の虎撲烈波か炸裂し、松岡の大柄な体が吹き飛んだ。

裏当てを食らった鳩尾に、更なる大きな衝撃。

倒れたまま、激しく咳込む。

「内臓を破壊しない程度に、加減はしておいた。死にはしない」

「くくっ…何を今更…」

龍宇の言葉を、松岡は嘲笑う。

「さっきまで死ぬ寸前の攻めを見せてた奴が、説得力ねぇんだよ…捨てちまえよ、聖人の面なんてよ…」

松岡の言葉に、龍宇は反論できない。

試合こそ、龍宇の勝ちだ。

しかし…。