修羅は戯れに拳を振るう

躊躇ない龍宇の連続攻撃。

だが次第に意識が明瞭になり、龍宇は我に返る。

無慈悲な攻撃の餌食となり、大きな傷を負う松岡。

その姿に、思わず目を逸らす。

と。

「自覚はあったんだろ…?」

口元から血を垂らしながら、松岡が言った。

「俺のこの姿を見て、おめぇは驚かねぇ…寧ろ『またやっちまった』って顔だ…意識朦朧となって、過剰とも言える攻撃を加えちまう…一度や二度じゃねぇんだろ?こんな事は」

追い詰められておきながら、松岡は何処か嬉しげだった。

「だから言ってんだよ…おめぇにゃ殺意の素質がある…いざとなりゃブレーキ踏まねぇ男なんだよ、おめぇは」