修羅は戯れに拳を振るう

言った直後、松岡の渾身の手刀が龍宇の脇腹を打つ!

刃金斬り(はがねぎり)。

手刀によって刀身を叩き斬る事さえできるという事から、この名が付けられた。

人体に叩き込めば、内臓にまで大きな損傷を与える。

故に。

「……!」

松岡の表情が一変する。

(コイツ…内臓がねぇ…っ?)

無論、そんな筈はない。

龍宇は特殊な呼吸法で重要な内蔵器官を肋骨の中へ押し上げる秘伝の技、内臓上げを使ったのだ。

意識がないのか、白目を剥いている龍宇。

しかし。

「っ!?」

龍宇はそのままの状態で、人越拳ねじり貫手を打ち放つ!