修羅は戯れに拳を振るう

「どうした」

悶絶する龍宇を見ながら、松岡は余裕の表情を見せる。

「俺ぁ公の場でおめぇを殺すくらい訳ないぜ?どうせ指名手配の身だからな。この街の警察全部に囲まれても、鼻歌混じりで街を出ていく自信がある。この街にはあの野獣二人はいねぇからな。つまり」

足刀を龍宇の喉元に叩き込む松岡。

まだダメージから回復していない龍宇は、為す術もなくこれを食らって呼吸困難となる。

「躊躇も呵責もなくおめぇを公開処刑するって事だ」

「ぐ…がは…!」

尚も咳込みつつ、龍宇は松岡を睨み上げる。

「大した眼光だが、睨みじゃ人は殺せねぇ」

どこ吹く風の松岡。

「俺を殺すにゃ…そうだな、ブレーキ踏まずにアクセルベタ踏みだな」