修羅は戯れに拳を振るう

「フン」

鼻を鳴らした龍娘は、近くにあった椅子に腰掛けて美脚を組む。

美しいばかりではない。

この美脚は、倍はあろうかという大男をも吹き飛ばす無影脚(むえいきゃく)という連続蹴りを繰り出す凶器だ。

「反省の意を見せている者を、嵩にかかって更に責めるのは下衆のやる事だ。私を甘く見るな」

「……」

それ以上龍宇を叱責しなかった龍娘に、莉々は微笑む。

「で」

龍娘は龍宇を見た。

「今、活人拳を源流とする格闘術が流儀だと言ったな…もしやお前の師は、修羅と名乗る人物か?」

「…師匠を御存知なのですか?」

龍宇は顔を上げた。