修羅は戯れに拳を振るう

無論、龍娘流を立ち上げる際に資金提供を依頼した縁で、ORIHA社長の一人娘でもある莉々とも面識がある。

莉々自身は中国拳法はあまり使わないが、基礎的な体術の教授と、対中国拳法の手解きなどは受けた事があった。

何より世界のマスター・ロンニャンだ。

流派は違えども、一度は教えを受けたいと思って当然。

説教を受けた事さえ自慢になる。

「まぁいい」

如何に龍娘とて、怪我人を前に長々叱る気はない。

「やられたのは内臓と肋骨か?鍼灸と漢方を準備してきた。氣の滞りがないか、気脈の流れも少し診てやろう。服を脱げ。女同士だ、全裸でも構わんだろう?」

テキパキと莉々のコスチュームを脱がせる龍娘。

彼女はその途中で振り向いて、キッと龍宇を睨むなり。

「気を利かせて部屋を出ていかんか!馬鹿者が!」

まるで猛虎の如く、龍宇を一喝して追い出した。