校門を出たところでコンビニによる。
「あー、はらへったー!」
縁が言う。
実際、コンビニでは何も買わずに出ることが多い。
まぁ、涼むために入っているようなものだ。
「ハラ減ったなら、早く帰ろうぜ。」
「あっ!そういえば」
命が言ったところで縁が思い出したように言う。
「今日、母さんたち同窓会って言ってた!」
ってことは、うちもじゃん!
「俺んとこもかよ・・・・」
三人の親はみんな高校の同級生。
だから、誰かの親が同窓会とかだと全員の親がいない。
三人とも仲いいから旅行に行ったりもする。
「お好み焼き行くか!」
「「だね」」
学校から家までは歩いてすぐの距離。
近いのもこの高校に来てよかったと思うところだ。
近所のお好み焼き屋に入って席につく。
「私、ミックスで。」
「俺はぶた玉、命は?」
「俺、えび!」
いつもみんな決まったのを食べるんだよね。
それぞれ、鉄板で焼き始める。
もう、甲子園予選の時期なんだ。
「甲子園、今年も行けるかな?」
「はぁ?いけるにきまってんじゃん!」
縁が少し怒ったように言う。
まぁ、それだけ自身があるってことだね。
あれだけ練習してるんだから、当たり前か。
「俺達の努力、一番わかってんのは楽だろ?」
命がお好み焼きをひっくり返しながら言った。
「まぁ、そりゃそうだけど。じゃあ期待しとくね!」
「ったりめーだ。今年のエースは俺だからな!」
「そのエースの縁も俺のリードがなきゃ、全然大したことねぇけどな」
でた。命って挑発するのは上手いんだから。
「でも、二人で一つのバッテリーでしょ?」
「「まぁな」」
程よく焼けたお好み焼きを口にする。
「うめー!ここのはハズレがないな!」
縁のお父さんは大阪の人らしくてお好み焼きとたこ焼きには厳しい。
そんな縁と縁のお父さん御用達のおみせだから、まずいはずかない。
「ていうか、今日も練習キツかったなー」
珍しく命が弱音を吐く。
確かに、去年の秋から4番を任せられている命は練習量がかなり多い。
投手の球を受けることもしなきゃだけど
バッティングに手を抜いていい訳ではない。
「さくっと家帰って素振りでもするかな。」
「俺はシャドーピッチング」
お好み焼きも食べ終わり会計を済ませ店をでる。