初恋バッテリー

「市丸、どこ行くの?」
「源先輩」
試合も終わり学校についた。
「音楽室です。」
明日は決勝。
大和星城の伝統の一つ。
県予選では決勝以外、吹奏楽部の応援はしない。
「失礼します」
私は音楽室に入り源先輩は音楽室の外で待っている。
「楽ちゃん!」
「舞美ちゃん、お疲れ様。」
友達の美作舞美ちゃん。
吹奏楽部でサックスを担当している。
いつも学校では一緒にいる、大切な友達。
「おう!楽!」
「朱莉ちゃんもお疲れ様。」
同じく大切な友達の寺島朱莉ちゃん。
私のことを呼び捨てで呼んでくれている。
朱莉ちゃんの担当はトランペット。
えっと用があるのは吹奏楽部の部長さん。
「あ、楽ちゃん。」
「笑!」
そう、この吹奏楽部の部長は二ノ宮笑。
何を隠そう、縁のおねぇさん。
担当はトロンボーン。
「明日はよろしくお願いします。」
わたしが頭を下げると、笑は「集合」と吹奏楽部のみんなを集めてくれた。
「私だけが応援するわけじゃないから。」
「皆さん。明日は野球部のために応援よろしくお願いします」
私がそう言うと吹奏楽部のみんなが立ってこういった。
「「「また、甲子園に連れて行ってください」」」
「もちろんです。うちの野球部はまけません。」
そう言うとみんな笑顔になってくれた。
吹奏楽部のみんなのためにも頑張らないとね。
明日の決勝、絶対勝たないと。
「では、練習中失礼しました。」
今は2:00。
野球部の練習というか反省会は2:30から。
野球部の反省会は基本的に食堂で行われる。
土日、休日の昼間はいつも野球部が使っている。
他に使う部屋がないんだよね。人数多いから。