きみは言った。

「俺あまいたまごやきしか食べないから」

しってるわそんなこと。
小さい頃から何回も聞いてるこっちの身にもなってみろどアホ。
大好物でしょ、把握済みだどアホ。
気がついたらわたしだって好きになってたじゃないか、たまごやき。どアホ。
けどなわたしはしょっぱい方がすきなんだよ。どアホ。


小学校の頃きみに作ってあげたくて、
よろこんでもらいたくて、
砂糖と間違えて塩を入れたときは怒られたけどさ、それをいつまでも引きずってて何回も言ってるんだったらはたく。

「痛っ」

…手が滑った。


「…おい」


「おいちな」



「ふぇ?」


ごめんひかる。
たまごやきのことしか考えてなかった。

「ったく話聞いてろよ」


「すいませえん」

謝る気はありませえん。