春恋 -Harukoi-

それからしばらくしてチャイムが鳴り、

うとうとしながら授業を聞いていると

またチャイムが鳴った。

「あれ」

不思議に思いながら

周りに合わせるように教科書をしまった。

「だって恵麻寝てたでしょ、古典の先生睨んでたよ」

背筋が凍る。

「あー・・・」

次古典の先生に会ったとき、なんて嫌味を言われるだろう。

「まー大丈夫だって。ね、それより放課後、駅前のドーナツ屋さんで割引券もらったから行かない?」

駅前のドーナツ屋ってことは、

確かミステードーナツ。

学校帰りに寄るにはちょうど良い遠さだ。

「いいね、行こう」

嬉しそうに微笑む美月。

やっぱり持つべきものは友達、なのかもしれない。