「井上さん、井上さん!」 体育が終わって更衣室に戻ろうとする私に、中原くんが声をかけてきた。 「…何?」 私はそっけなく返事をした。 「どうだった?俺のサッカーしてる姿。慣れなかったけど、ゴールできたよ♪」 中原くんは嬉しそうに私に話し掛けてきた。 けど私は中原くんファンではないし、そもそもサッカーの試合を見ていない。 「ごめん…。テニスしてたから、よく見てなかった。」 「え…」 中原くんの満足げな笑顔が引きつったように見えた。