卒業式。


先輩は退場の時に涙を流していた。


泣いている先輩は初めで見た。


必死こいて私はもらい泣きを堪えた。


式が無事終わり、玄関前で各部活ごとにセレモニーみたいに色紙を渡したり、写真を撮ったりしていた。


私は自分の部活のがある程度終わったので、友達を引き連れ先輩の所へ行った。


先輩の姿を見つけた。


私「○○君、写真撮ってください!」


先「おぉ!いいよ!」


この時もあっさりOKしてくれた先輩。


撮り終わったあと、今まで堪えていた涙が流れてきた。



先輩の前で泣かなくてよかった。



だけど、友達がとある先輩のボタンをもらっているのを見かけた。


第二ボタン頼んだらくれるかな??


私は最後の勇気を振り絞り、先輩の所へ急いだ。


玄関から出ようとした時、先輩とばったり会った。


本日2回目の先輩への声がけ。


私「○○君、良かったらどこでもいいのでボ タンいただけませんか??」


すると先輩。


先「どこのボタンがいい??」


えっ??まさかの選ばせてくれるやつ??


私は遠慮なく。


私「第二ボタンがいいです…」


先輩は。


先「OK!取るから待ってて!」


あっさりくれた。


別れ際。


私「向こう行ってもサッカー頑張ってくださ い」


先「うん!ありがと!バド頑張れよ!」



って言ってくれた。


先輩が帰ったあと、私はまた泣いた。


ボタンの一部始終を見ていた後輩も。


別れは悲しいが、思い出はたくさん出来た。