「俺、バスケ部、…辞めてるんだ」
「……え?」
「…3年生の、大事な最後の大会の、
決勝で、シュート外して、負けた
決まれば、優勝だった
入部したすぐの頃の大会から、スタメンに選ばれて
その頃から、すでに先輩には影で色々言われてた
ただでさえ、先輩差し置いて試合出てるのに
先輩からの目が、怖くなって、何度も責められて
バスケするのが怖くなって。
耐えられなくて、辞めた」
「そんなこと、あったんだ……っ」
「…バスケ、やりたい
けど 、……怖い
ただの、弱虫だよな。俺」
「そんなこと、ない」
「…え?」
「そんなこと、ないよ…」
