「藍斗。次の大会、スタメンな。」
「…はい!」
「…なんで、一年のくせに」
「なんで俺らが出ないで藍斗がでるんだよ」
「……っ」
1年の俺は、正直3年生よりバスケが出来て、
スタメンで入ることが多かった。
最初は、ただ、嬉しかった。
だけど、それが続くにつれて
先輩の目が、怖くなっていった。
3年生にとって最後の大会でも、
監督は、先輩を差し置いて俺をスタメンにした。
ダン ダン ダン ッ
「あと、3秒!!」
「藍斗!打て!」
…カンッ
ピピーッ!!
「…外し……た…?」
「…ふざけんなよ……っ」
「最後のパス、藍斗に出さなきゃ良かった」
「入れば、優勝だったのに」
「……すいません…すいません…っ」
「…泣いたって、無駄なんだよ」
「……ます」
「聞こえねーよ」
「…部活、…辞めます…」
それから、バスケをする事が怖くなって、
俺は部活を、バスケを、辞めた。