帰り道、
すっかり暗くなってしまい急ぎ足。


高校の最寄駅にいる。

ここから家まで約30分。

冬は暗くなるのが早いから嫌い。

ちなみに実佳は高校のすぐ近くに住んでいる。



「あれ、倉安?」



電車を待っていると後ろから呼ばれて
振り返る。



柚「悟流!と、あれ、志田くん?」



さとる…宮橋悟流は中学同じで
翔と仲良い男子。

で、隣のイケメンは多分実佳の幼馴染み、
志田くん。

メガネ外すとかなり印象変わるみたい。



悟「陽大メガネ外すと別人だよな!」



志田くんに向かって笑ってる悟流。

こそれよりも、この二人が一緒
ってなんか考えられないな。

悟流は中学からあの有名人翔と仲が良くて、
学校では目立つキャラ。

それに対して志田くんは
学校では頭がすごくいいメガネ男子で
地味キャラ。
メガネ外すとイケメンだけど。

この二人がつるんでるとはなんだ?



悟「あ、今なんで俺たちが一緒にいるか、
って思ってるでしょ?」


陽「悟流人の気持ち読み取り過ぎて
きもちわりいよ、まじ」


悟「うわ、陽大に言われたくねえ!」



一瞬志田くんが
悟流に脅されてるかと思ったけど
全くちがそう。

悟流、ごめん。



悟「俺たちはおいといてお前は?
こんな暗くなるまで外居たら
翔太におこられるよー」


柚「は?なんでよ?」


悟「え、翔太はお前の保護者兼夫だろ?」


なんて結構本気で言ってる悟流。


柚「……はーあ?
悟流ってそんなこと言うやつだった?
何々?
ていうか志田くんも
笑ってないでよ!」



電車が来て、ひとまず電車に乗る。


悟流にこうやって
翔についてからかわれたのははじめて。

悟流は翔と私について
幼馴染みという繋がりしかない、
っていうのを知っているはずなのに。



悟「お前翔太の朝のニュース見たろ?
慰めてやろうかと思って。」


柚「は?」



ここで隣の駅について志田くんが降りる。



陽「この話の続き、今度教えてねー」

そう言って降りていった。

悟流も、おう!とか言ってるし。

抜かりない奴ら。



柚「なんで慰めるわけ?
別に好きじゃないのに。」


悟「お前あれ見てなんも感じなかったわけ?」


柚「あー、そういう話もう実佳とした!
解決したからいい!」



いや、全く解決してないんだけどね。



悟「あ、そう…。えっと、みか?
って中沢……?」



ん??
実佳のことはもちろん知ってるはず。

悟流と実佳同じクラスだから。

この反応は…しかも顔が赤く……



柚「わかったー!
悟流が志田くんといた理由わかったー!」


悟「お、おい、俺のことはいいって。」


柚「悟流、志田くんに
恋愛相談してたでしょ!
志田くんの幼馴染みの
中沢実佳が好きで!
だから志田くんも
こんなチャラい悟流に対しても
突っ込めるキャラだったんだ、今。
悟流、恋すると分かりやすいし
弱いしすぐ泣きついてくるからねー!」


悟「おい!!黙れよ!
もう勝手に解釈してていいから黙れ!」



照れてるーーー!

悟流は本当に分かりやすい。

それに比べてあのイケメンドSスイマーさんは
何がしたいのかよくわからないことを
毎日毎日……。