花のころ



トン、トン…
トントン…




彼の肩に触れて、強めに名前を呼んだ。



静かな教室に響く自分の声が恥ずかしい。



「ん………ぉ?」



寝ぼけ眼の瞳と目があった、その瞬間。

完全に射抜かれてしまった。



「ほら、起きて起きてっ次移動だよ!もうみんな行っちゃってるし、休み時間も終わっちゃう!」



気持ちが溢れてしまわないように、早口にしゃべり出した。



高鳴る胸に我慢出来なくて、教室から出てしまいたいのに、まだ近くにいたい…



少しだけ離れたあたしは、机から、教科書と筆箱を取り出す指先を見ていた。