『あんた、バカだろ』
和也と水瀬って女がいなくなったあと、気付けば俺は、その葉山に声をかけていた。
だって、あまりにも辛そうに2人の背中を見つめていたから。
俺の声に、ゆっくりと葉山は振り返る。
近くで見ると、やっぱり可愛い顔してんな、なんて珍しい感情が湧き上がった。
けど、その目は揺れていて。
……あーあ。
そんな泣きそうな顔しちゃって。
そのときは、ただ彼女のことを、バカだなとしか思っていなかった。
けれど、それがどうしても気になってしまい、見かけるたびに目で追うようになっていたんだ。
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