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それから約1ヶ月、黒川くんと会うことはなかった。見かけることすら、ない。
そもそも、彼が何組なのかも分からないし。
「なー、澪。今日こそは一緒に帰れるよな?」
そしてあれ以来、私はずっと水曜日に和と香織と帰ることから逃げていた。
適当に理由をつけては、そそくさと2人から離れる。
家の用事、先生からの呼び出し、そしてまた家の用事。
一緒に遊ぶ友達もいなければ委員にも部活にも入っていない私には、香織はともかく和を誤魔化すのにはもう限界。
今日はなんて理由で断ろうかと考えている昼休みの終わり際に、確実に怪しんでるであろう和に捕まったのだ。教室の真ん中で。



