『バカ和』だなんて、ずっとずっと、そう思ってきた。


なんで見てくれないの。なんで香織なの、って。



けど、全部違った。違ったんだ。




「バカなのは、私の方だった……っ」



全て、弱かった私がダメだったんだ。ずっとずっと逃げてばかりで、"親友" ってポジションに安心して、すがって。




"恋愛対象に入ってないから告白できない"


それなら、恋愛対象に入れるように努力すればよかったんだ。





「私の、バカ……」



もう涙は止まらない。



名前も知らない男子生徒の前で、私はただただ泣き続けた。