そんな私の心情なんておかまいなしに、この人はトドメを刺す気か再び口を開いた。
「そういうの、なんて言うか知ってるか?」
ジリジリと詰め寄ってくるものだから、思わずあとずさりしてしまう。
やめて、聞きたくない。黙ってよ。
苛立ちと共に、何故か焦りと恐怖も出てきた。
無性に、耳を塞ぎたくなる。この続きを聞きたくない。
まるで、核心を突かれそうで。
「そういうのはな、"偽善"って言うんだよ」
「……っ」
その言葉に、ガツンと頭を殴られたような衝撃を受けた。
言葉なんてすぐに出てくるわけもなくて、シンとその場が静まり返る。
「あれ、反論なし?」
さっきまでとは打って変わって、一言も話さなくなった私を不思議に思ったのか、彼は私の前に回り込んで顔を覗き見た。
そして、目を見開く。



