「…ごめん」


静かに聞こえる声。



そのごめんの意味が分からなくて、不安になって、私は彼の背中にギュッと手を回した。


それに答えるかのように、私を抱きしめる力も強くなる。






「俺、澪南が好きだ。澪南だけが好き。他の女なんか興味すらないよ」


優しく降ってくる。大好きな安心する声と、その言葉。




その言葉に嘘があるようには到底思えないって分かってるのに。


「本当に?」


そう聞いてしまう私は余程バカなのかもしれない。