行く場所が思いつかなくて近くにあったトイレに駆け込んだ私は、ゆっくりと息を吐いた。
……普通に仲良く3人で帰るわけがないじゃない。
2人が両想いだってわかった今、私は邪魔者でしかない。
それに2人と一緒に帰るだなんて、それこそ自殺行為だ。平常でいられる気がしない。
……だから、私はまた嘘をつく。
***
「ごめん!私、今日の帰りに寄るとこあるの忘れてた!2人で先帰っててくれない?」
「えっ、は?澪?」
「ちょ…澪南っ」
放課後になって、私は教室に残った2人に顔の前で手を合わせた。
「本当ごめんね。今度また3人で帰ろっ。じゃ、お先に!」
我ながら、雑な芝居だと思う。でも、こうするしか方法が思いつかなかったんだ。
今日から毎週水曜日は、和と香織の2人の時間。
急な展開に2人は慌てているけれど、それも時間の問題だろう。
気持ちが見透かされるその前に、私は荷物を持って急いで教室を出た。



