*** それから数日。 「葉山」 「あ、千歳くん」 相変わらず千歳くんは、私の教室に教材を借りに来ていた。 「今日は何?」 「物理のテキスト」 「はいはーい。ちょっと待っててね」 もう私の好きな人は和じゃないから、千歳くんが心配して来てくれることもないんだけど。 でも、こうして来てくれるのが嬉しいのは確かだから嫌な気はしないんだよね。