この時間が好きだった。


和と2人きりでいられるこの時間が。




それなのに、今やその好きな時間ですら苦痛でしかない。



ここ最近、和は香織の話ばかりだ。


2人でいるはずなのに、2人じゃない。




「水瀬ってさー、本当にザ・女の子って感じなんだよ。お前と違ってー」

「……っ、なに、それ。どーせ私は女の子らしくないですよーだ」



不意に泣きそうになって、必死に持ちこたえた。



わかってる、わかってるよ。


和は冗談で言ってるんだ。それくらい、わかってる。