この時間が好きだった。
和と2人きりでいられるこの時間が。
それなのに、今やその好きな時間ですら苦痛でしかない。
ここ最近、和は香織の話ばかりだ。
2人でいるはずなのに、2人じゃない。
「水瀬ってさー、本当にザ・女の子って感じなんだよ。お前と違ってー」
「……っ、なに、それ。どーせ私は女の子らしくないですよーだ」
不意に泣きそうになって、必死に持ちこたえた。
わかってる、わかってるよ。
和は冗談で言ってるんだ。それくらい、わかってる。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…