「……っ」


泣きそうになって、グッとそれをこらえる。



後悔したってもう遅い。


もう、あと戻りなんてできないんだから。





どんなに私が想ったところで、和の恋はどんどん前に進んでいる。


私を振り返ることも止まることもせず、香織だけに真っ直ぐと向かっている。



だから、いい加減諦めろ、私。



大丈夫。きっと忘れられる。


和へのこの想いは、忘れるんだ。




「あ、澪南おかえりっ」

「おっ、澪!そんなとこに突っ立ってないで早くこっち来いよー」


私に気付いて笑顔を向けてくれる和に、思う。




ねぇ、和。



私はずっと、あんたの恋を応援するからね。


あんたの恋……叶えるまで見届けてあげるから。





だから、頑張れ、和。