「ちょ、おい、待てよ!」
チラッと後ろを振り返ると、突然のことに驚いたお兄さんたちが、慌てたように声を張っている。
「ああいう奴らは無視が一番だから」
そんな彼らをガン無視して歩き続ける黒川くんは、そう言った。
……本当、なんなのこの人。
思わず笑いそうになったのを必死で堪える。
だって、助け方があっさりし過ぎてる。
まぁ、それこそ堂々としている黒川くんらしいんだけど。
って、あれ。
どんどん最寄り駅から離れていくのがわかって、ハッとした。
「ちょ、ちょっと待って!和と香織は?まだ来てないよ?」
今さらだけど、人数が足りないことに気づく。まだ私たちは、あの2人と合流していない。



