「おはよう、黒川くん」 「ん、おはよ」 和と香織が付き合い出してから数日。 黒川くんは私を心配してくれているのか、たまに隣のクラスである私の教室に顔を出してくれるようになっていた。 「今日は何?」 「英和辞書。1時間目なんだ」 顔を出す理由は本当に適当で、大抵は教材の貸し借り。