「えっと、じゃあ……。俺こっち持つから、水瀬さんは残りのそっち持って」
「え、あ、うん。ありがとう……っ」
そんな2人の会話は、私にはなんだか遠くでされているように感じた。
実際は、私の目の前で起こってる会話なのに。
自分が仕組んだことなのに、ショックを受けている私は大バカだと思う。
「じゃ、和。頼んだよ」
「お、おう」
去り際、和が私を見て口をパクパクさせたけれど、私はそれに気付かないフリをして返さなかった。
「はぁ……」
遠くなっていう2人の背中を見て、小さくため息をはく。
やめてよ。
"ありがとう" なんて、和には言われたくない。



