「……変な人」
彼の印象は、その言葉に尽きる。
冷たいと思ったら優しいし、笑わないと思ったら笑ってくるし。
本当、掴めない人だな。
まぁ、そんな人に懐きかけてる自分もたいがい変な人だけど。
さっきまでの焦りや不安は、嘘のように落ち着いていた。
明日、香織に謝ろう。
あんな自分勝手に八つ当たりした私のことを、あの子は許してくれるだろうか。
そんなことを考えながら、私も荷物を取ろうと自分の教室のドアを開ける。
……が、その直後、私の呼吸は止まった。
喉の奥がヒュッと音を立てて、全身が凍りつくくらい冷たくなるのに、目頭だけはじんわりと熱くなる。
どうして、神様はこんなに意地悪なんだろうか。



