Time Paradox

地下から出た後は、なるだけ隠し通路を通ってひたすら外を目指した。

そして遂に城からの脱出が成功し、外の出口の蓋を開けた。

今現在の時刻は23時45分。あとは森の入り口に向かって走るだけだ。

2人は真っ暗な道をランタンも持たずにひたすら走り、目立たない場所にアーノルド家の車が停車しているのを見つけた。

リリアーナが2人分の透明化を解いてやると、モーリスをはじめとしたアーノルド家の皆が驚きつつも2人を迎え入れ、急いで車に乗せた。

深夜の真っ暗な森を道を走りながら、リリアーナは妖精が話していた事や前世までの事、アドルフの意味ありげな言葉を全て説明した。

「…やはり2人は転生の呪いに縛られていたという事か…。」

モーリスが言うと、デリックが髭を弄りながら口を開いた。

「…でも人間界化を目指すのに、2人が結婚する意味ってあるのか?アドルフ王子の口ぶりや結婚式を急ぐ様子は明らかに何か理由がありそうなんだよな。」

「…そうなの。私が考えたところでは、明日の結婚式でアドルフがこの国全体の魔力を封じ込める魔法を掛けるんじゃないかなって思ってるけど…皇族の結婚式は国中の人が集まるし注目するから、その演奏を聞かせて魔法のない国にするつもりなんだと思う。」

「だけどそれにしたって急ぐ必要は無さそうだし…最初の人生でケインズ家とナトリー家が繋がっていたことに関係があるんじゃないかしら?」

「…アドルフ王子は権力と魔力以外の何を欲しがっているのか…それさえ分かれば過去に行ってもどうにかできそうなんだけどなぁ。」

ジャックの言葉に全員が頭を抱えた。