ほんまの素顔

「うわぁ…」

見た目よりめっちゃ広い。

キョロキョロしていると、



__ドンッ



「すんません、大丈夫ですか?」

手を差し伸べると、

「ありがとう」

そう言って俺の手を掴んだ。

「俺、周り見てなくて…ほんまにすんません」

「大丈夫ですよ」

そう言って微笑んだ。

…あれ?

どこかで会った事あるような…無いような…

「あ、病室までご一緒させて下さい」

「…え?」

やべぇ…流石にあかんかったかな

「話聞いてもらってもええ?」

「ぜひ!」

「私にはな、一人娘が居るんよ」

え、娘さん居るようには見えへん。

めっちゃ若そうやし…

「その子な学校辞めて、ずっと働いてるんよ。私こんな体やし…父親は酒、ギャンブルばっかりで、挙げ句の果てには暴力振るうようになって…」

…最低な父親やな。

「離婚してるんやけど今でもたまに家に来てるらしいねん」

「娘さんおいくつなんですか?」

「16歳…学校に行っていれば高校二年生や」

高2…俺と同い年。

「毎日来てくれるんやけどな、風邪引いて寝込んでるらしいねん」

「昨日来た時、寒い言うてたからこれあげたかったんやけどな」

そう言って手に持っていたのは赤いマフラー。

「不器用やから去年から編み出してなやっと最近完成したんや」

そうやって嬉しそうに眺めていた。

「俺が届けます!届けさせて下さい」

「けど…」

「お願いします!」

「ちょっと待っててくれへん?」

そう言って病室に入って行った。

「住所書いてるから…宜しくお願いします」

「任せて下さい!」

俺は紙に書かれている住所の場所に向かった。