そういえば、天舞君って何をしても目立たない。決して、悪目立ちするタイプでもない。


彼はいつもぼーっとしてるし

友達付き合いも少ない。いや、見たことがないと思う。正直な話し、彼が特定の誰かと親しくしているところなんてみたことない。


わざとやってるの?



そんな疑問を頭に浮かべながら、自分の教室に歩き出す。


校内に人は少ないが、誰もいないわけではない。

友達としヤベッている子、部活をしている子、勉強をしている子



様々だけれど、生徒はいる。




その中で、シンっとした教室がある。
そこが少しだけ、異質で不思議で、それでも何故か嫌な感じはせず、清浄な雰囲気が漂っている。

まるで、そこには人なんて存在できないような、そんなあることのないはずの考えが無意識に浮かび上がってくる。