「これ、渡しといてくれないか?天舞のプリント、渡しそびれててな。急ぎでもないし、明日でもいいし」


「わかりました」


プリントを受け取って、準備室を後にした。



「天舞君か」


喋ったことないな。

うわあ、嫌だな。喋ったことのない人と喋ることはとても緊張する。

第一印象が決まる、そんな怖いこと、誰が言ったの…。



ふと、手の中にあるプリントを見れば、小テストだった。それも3枚。




こんなの他人に渡さないでよ。



別に気にしない人もいるだろうけど、点数を見られるなんて絶対に嫌だと感じる人もいるだろう。


「あれ…?」


思わず違和感を感じ、プリントを見たまま立ち止まってしまう。


三枚とも同じ点数。

小テストなんだから、それは当たり前なんだけど、解答欄の場所も全部同じ。


こんなこと有り得ない。


全部同じなんて正直に気持ち悪い。


こんなの、自分でわざと狙ってやらなければそう簡単にはならない。


わざと?

ねらって?