私の教室とは反対の校舎。そして、2階にある準備室。


ああもう!なんて、口に出せない悪態を心の中で言い、大荷物を抱えて廊下をのそのそと歩き、階段をゆっくりと降りる。


やっとのことで辿り着いた教室には軽い機材だけを持っていった先生がいた。


「失礼します」

「あー、ありがとな!」

「……いえ」


それだけで終わらすか!?普通。
ここはなにか、ジュースとかお菓子とか、なにか欲しい。


そんな現金なことを考えている私は、相当心が汚い。


しかしそんな不満も口のなかに飲み込む。



「あ、泡沫!」

帰ろうと靴を翻していたところにこれだ。また厄介ななにかを持ってこられるに決まっているが、それを無視する勇気なんてない。


「はい?」


しかし振り返ってもそこに笑顔を付け足す元気は全くないし、こんな先生に愛想を振りまく気もない。

むしろここまで持ってきてだけ、私に感謝して欲しい。