「じゃっ、あとのを頼むぞ！」
そう言って、授業に使ったプリントと軽そうな機材を持って軽々と教室を出て行ってしまった。
え、嘘でしょ？と声には出ずに立ちすくむ。
残った機材を見れば、女子が一人で運ぶには少し無茶な量。
教室を見渡せば、固まっていた女子グループの一人と目があった。見つめていれば、彼女はグループの人に何か話したと思うと、ささっと荷物をまとめて教室から出て行った。
人間なんてこんなものだよね。
面倒なことには一切関わらない。見て見ぬ振り。それが自分を守るための方法であるから。
ため息を落として、少し大きい荷物を抱えて先生のあとを追った。
