叶ったはずの恋。







『そんなに焦るなよ。

多分、お前の頭は分かってるんだよな?


焦って桐ちゃんを忘れる必要はない、って。

なのに心は焦ってる。


早く忘れなきゃ。

大ちゃんを好きにならなきゃ。


って、考えてるんだろ?


別に、いいじゃん。
忘れなくて。

俺だって…京香のこと…忘れてない。

忘れられるワケがない。


京香は俺が初めて本気で愛した人だから。

忘れたくても忘れられないんだ。


でも、陽菜に逢って俺はまた恋をした。

恋をすることは決して悪いことじゃない。
昔、愛していた人がいたとしても
今、好きな人がいるのならその人を愛せばいい。


昔の人よりもっと、愛せばいい。

人が恋をするのは当たり前で。
恋をすれば忘れられない人ができるのも当たり前で。


だからいいんだよ、夏希。

もっと泣け。


泣いて、泣いて、おもいっきり泣け。


桐ちゃんのことたくさん想い出して

桐ちゃんを想って


たくさん泣け。


誰も何も言わない。

だから、想い出せ。


桐ちゃんのこと、想い出せ』


やっぱり涙は止まらなくて。


バカみたいに溢れるばかりで。

泣かないように我慢しようとしてもそれは逆効果で。


もう…イヤだ…