そっと桐ちゃんの指があたしの頬に触れた。
ゆっくりと零れる涙を桐ちゃんが拭う。
『お待たせしました』
タイミング悪く店員さんが料理を持ってくる。
伸ばした腕を桐ちゃんは引っ込める。
「………おいしそう!」
流れていた涙が止まる。
『なんだよ…お前』
そんなあたしを見て桐ちゃんは溜め息をつく。
でも、今は泣いている場合じゃない。
この料理たちの誘惑にあたしは打ち勝つ自信がない。
『ま、いいや。食え』
呆れ笑いを浮かべた桐ちゃんに言われる。
慣れない食べ物に悪戦苦闘
だけど、味は絶品だった。
「うまい!うまいよ、桐ちゃん」
周りに迷惑にならないように小さな声で叫ぶ。
『うまいってなぁ…
相変わらず言葉遣い悪いぞ』
なんて怒られてもあたしは気にしない。


