『俺の心に大きな穴を開けたまま、お前はいなくなった。


ここに来れば忘れさせてくれるんじゃないか、
そう思ったのに。

どうしてだかお前のことだけは忘れられなくて。



手紙の内容なんて全部ウソ


キライになんてなってほしくなかった

ずっと、待っててほしかった

忘れないで…いてほしかった


できることなら、俺の手で幸せにしたい。

そう…思ってた。


でも俺はあの頃と何も変わっていなくて。
これじゃあここに来た意味はない。

だから、帰れなかった。


でも心の中にはいつもお前が…夏希がいて。



……って俺、何言ってるんだろうな

なんでもない…忘れてくれ』


今さらながら恥ずかしくなった。

こんだけさらけ出してる自分が。


もしかしたら夏希はもう、俺のこと好きじゃないかもしれないのに。



俺に会いに来たからってまだ好きだとは限らない。



俺…どんだけ自信過剰な男なんだろう


そんなことを考えている俺のもとに聞こえてきたのは




「また、忘れてくれ…??」