外へ出た後、最初にやることは決めていた。
「紫月はどこにいるんだ?」
「えっ…」
目を見開くほど驚く時雨。
「あ、あの…翔真殿!!頭の行為は確かに許せるものではありませんが、その…」
きっと紫月に仕返しか文句を言うのだと思ったのだろう。
あたふたとする時雨。
「いや、別に怒ってねぇよ。ただ、話がしたいだけだ」
「…そうですか。本当は聞かれても教えるな…と言われているのですが…、医務室です」
「わりぃけど、道案内してもらってもいいか?」
「はい。こちらです」
二日間も考える時間があったから、話す内容は大体まとまっている。


